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不安な童話

不安な童話    恩田陸 著

勤め先の大学共助と幼なじみの3人で観に行った高槻倫子遺作展。
画家でイラストレータであった若くして亡くなって25年目にして初の展覧会で有るはずのない
記憶に襲われて倒れてしまった主人公の万由子。

画家が変死したときの記憶が何故主人公にあるのか、主人公は画家の生まれ変わりか?
真相に迫ろうとすると疑問が積み重なっていくのですが。

ホラーのようなはなしですが、ミステリーのように事件を解決して終わりのような話では無いです。
読んでいる側は謎の真相が分かるとなるほど℃は思うけれど。

恩田さんの初期の作品「六番目の小夜子」の雰囲気があります。

意図せずに起こした登場人物達の行動が結果を起こしてはいるのですけれど。

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ifの世界線  つづき

ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー  

の残り2話分

「大江戸石廓突破仕留」   小川一水 著

タイトルは「おおえど いしくるわ を つきやぶり しとめる」と読みます。
内容は、江戸の世ではあるけれど、もしも日本に地震が無かったらという設定での話です。
地震が無いため建物は石作。建物が石なので火事が起きず、要塞都市になったため戦
が起きず、徳川は東国を支配する総守護に過ぎない。みたいな。
本来の歴史を知る人間が、その世界を我慢出来ずに元にものそうと仕掛けてくるみたいな
話です。

その江戸が現実世界の江戸かどうかは分かりませんが。
もしかしたら限りなく現実に近いシュミレーションかもしれませんが。

最後は、
「二000一回目のジャンヌダルク」 伴名 練 著
火あぶりの刑になるジャンヌ・ダルク。まさにその日を繰り返すジャンヌダルクの話です。
火あぶりの苦しみに意識を失い、牢で気が付いて広場に連れて行かれて火あぶりになり。

ジャンヌ・ダルクの業績を否定するためシュミレーションの再検討でジャンヌを再審判する
のが目的なのですが。
千回近くで広場に訪れた人々一人一人の名前と迷いを的確に言い当てて刑を逃れて
再び前線に発つことになったり。話が徐々に大きくなっていきますが。
2万回でも望む結果が現れずに終えることになります。
これが最後になるという2万1回目にジャンヌが望んだ結末は…

ジャンヌのj話はそこそこおもしろかったかな。
小川一水さんは唯一読んだことがある作家さんですが。

ifの世界線

ifの世界線   改変歴史SFアンソロジー

歴史をテーマにしたSF小説の作品集、つまりアンソロジーです。
5人の作家の5作品が載ってました。

テオフラスト・フォン・ホーヘンハイムという16世紀の実在の人物。
医師とか錬金術師とか魔術師だったとか思想家だったとか。賢者の石を作り出したとか、
謎の多い人物ですが、30巻ちか著書を執筆して死語に刊行されてます。

そんなテオフラスト・フォン・ホーヘンハイムがホントは何をやったかを描いたのが、
石川宗生 著の「うたう蜘蛛」
もしもこの時代に20世紀のロックンロールが出現したら、みたいな話です。

宮内悠介 著 「パニック ー  一九六五年のSNS」
もしも日本がデジタル先進国でいち早く文字をやりとりするSNSが普及して炎上事件が
起きるみたいな話。

斜線堂有紀 著  「一一六二年のlovin'life」
これは式子内親王の話です。和歌の名手で多くの家集に残されているのの、現存する
のは400首に満たなく少ない理由を描いた作品。
和歌を発するときは、詠語でするのが慣わしの世だったら、という設定で。
詠語は、まあ英語なのですが。和歌の名手だか詠語に出来ない内親王と英語が得意な
女御の絆の話でした。

一一六二年のlovin'lifeはおもしろかったです。
こういうアンソロジーはいままで読んでこなかった作家さんとの出会いの場になりますね。

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たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まず    原田マハ 著

日本では明治20年頃のの1886年から1891年のパリが舞台の物語です。

パリで画商を営む林の商売が軌道に乗って後輩の重吉が林に専務待遇で呼ばれてパリに
やっ場面から場面から話が始まります。
パリは空前の浮世絵ブームを迎えていて、それに触発されて印象派といわれる画家が出始
めようとしてます。
同じ画商でオランダ人のテオと知り合って友人関係を気付いていくことになります。
テオはオランダの実家や画家の兄を経済的に支える立場ですが、やがて兄がぱりにやってきて
一緒に暮らし始めます。
そんなテオとフィンセントの兄弟の苦悩を重吉の視線から描いてます。

林やテオやフィンセントは実在の人物で、重吉の登場で林とファン・ゴッホの兄弟と接点を持た
せている感じですね。
主題はたぶんファン・ゴッホ兄弟の心の内でしょう。

手元には「ゴッホのあしあと」という原田マハさんのドキュメンタリーぽい本があるのでそちらも
読んでみます。




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地球にちりばめられて

地球にちりばめられて     多和田葉子 著


言語にまつわる物語です。言葉では無く言語と行った方が的確だと思います。

登場人物の6人、それぞれが語ることで賞が進んでいきます。
生い立ちだったり、そこに居る理由だったり。

大学院で原稿を研究するクヌートがTVでHirukoが話すパンスカという言葉を聞いて
興味を覚えてHirukoの旅に同行することになるのですが。
旅の本来の目的は東洋にあった無くなった国の言語がネーチブなHirukoが同じ言語
をネーティブな人と話してみたいという事だったけれど、しだいに行く先々でドイツ語や英語
フランス語、そして多分日本語が人を結びつけていくのですが。

話はアルルに飛んだところで終わってますが、、続編の「星に仄めかされて」も読んでみたいな。





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